個性あふれるREIスタッフの日常こぼれ話。アトリエのこと、大好きなレースのこと、趣味のこと。
不定期更新のちょこっと読みものコーナーです。


浮世絵こばなしその2

 

最近ハマっている浮世絵のお話その2。

 

前回はクスッと笑える江戸時代のゆるキャラな浮世絵や日本画を紹介しましたが、今回は有名な葛飾北斎の三女、葛飾応為(おうい)という女性浮世絵師について。。。

ドラマにもなっていて知っている方もいらっしゃるかもしれませんが、肉筆浮世絵の最高峰とも言われる美しい作品を残しているのでいくつかご紹介していきたいと思います。

 

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まずは応為の代表的作品「吉原格子先之図」。

光と影の捉え方といい、奥行きのある構図といい、浮世絵の概念を飛び越えた美しさ。初めて見たときは衝撃的でした。

 

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わずか10点ほどしか残されていない応為の作品ですが、北斎の晩年の作品は応為が代筆したものも多かったとか。


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北斎にして「余の美人画は、阿栄におよばざるなり」と言わしめた応為。

不美人であったと伝えられていて、顎が出ていたせいで北斎に「アゴ」とあだ名で呼ばれていたそうな。ひ、ひどい…

 

阿栄(おえい)という名前だったそうですが、北斎がオーイオーイとよく呼ぶのでそれがそのまま画号の「応為」になったという話も。


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こちらは北斎との合作「唐獅子図」。

獅子を北斎が、花を応為が描いたそう。

 


ゴミが溜まるたびに引っ越すこと生涯で90回、30回画号を変え、75歳で「画狂老人卍」なんていうぶっ飛んだ画号に変え、ゴミに埋もれながら3万点もの絵を描いた北斎は奇人変人の代表格みたいな存在でしたが、娘である応為も気質が父親ゆずりだったのか相当の変わり者だったそうです。

 

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「空満屋連和漢武勇合三番之内 大井子と樊噲」という北斎の作品。

酒樽を豪快に抱えた応為が描かれています。

娘の顔を四角いとか顎が出ているとか口では散々けなしつつ、ちゃんと美人に描いていますね。

こういう作品が残ってる点も踏まえてちょっぴり微笑ましさを感じます。


北斎が89歳で亡くなったのち、ふらりと家を出たまま行方知れずになったと言われていて、彼女の人生の多くは謎に包まれています。

 

北斎の作品と思われていたものが近年の研究で応為の肉筆だとわかったり、北斎と応為の共作も特に晩年多く残されているので、気になる方はぜひ調べてみてくださいね。

 

のっさん