伊勢神宮参拝、そして最高の思い出となった伊勢志摩での社員研修を終え、夕方頃五十鈴川駅へ。
雨の中、寒さに震えながらバスを待つこと30分。
自分の弱気との戦いでした。
みんな帰ったのに、今から本当に自分は山を登るのか…
社員研修の最後のメニューは1時間耐久ヨガ。
すでにかなりくたびれてしまって、体力はもつのか。
あと、傘もない…
荷物をロッカーに預けたら、もう後戻りできません。
なんとかしてこの駅に戻ってこないといけなくなります。
悩みに悩みましたが、ここまできたら最後までやるしかない!と気持ちを奮い立たせて、参宮バスに乗り込み、お伊勢参りの終着点、朝熊岳金剛證寺へ。
「お伊勢参らば朝熊をかけよ、朝熊かけねば片参り」と唄われ、伊勢神宮の鬼門を守るお寺とされています。
下界から遠く離れた山中に、異世界のような風景が広がっていました。いかにも仙人が暮らしていそう。
霧雨の中本堂へ。
御朱印をいただき、さらに奥の院と呼ばれる場所へ。
伊勢地方には「岳参り」という風習があり、奥の院へ続く道の両側には2~8メートルの卒塔婆が立ち並び、全国でも類を見ない光景として知られています。
奥の院でも御朱印をいただき(私が最後の参拝客でした)、ダッシュでバス停に戻り、ぎりぎり帰りのバスに間に合いました。
乗り遅れたら日の落ちた山中で2時間彷徨う恐怖体験をするところでした。危ない危ない。
まだ日は落ちていない、ならば帰らない!
と完全にテンションが降り切れていた私は、ここから下山して猿田彦神社へ。
参拝順序にこだわっていたくせに、もう行けるだけ行くんだ!という心意気。
写真もあまり撮っていませんが、猿田彦神社、そして佐瑠女(さるめ)神社を参拝。
猿田彦大神という神様は、天照大神の孫であるニニギが地上に降臨した際、道案内をした神様。
ニニギのお付きとして一緒に降りてきていた天之鈿女命(あめのうずめのみこと)とのちに結婚し、天之鈿女命は佐瑠女という神様になります。
夫婦で今も一緒に祀られていて素敵ですね。
最後、徒歩で行ける距離ではなかったので、タクシーで伊勢神宮の別宮、月読宮へ。
ほんとにひとりで行ける?大丈夫?とタクシーの運転手さんにも心配されてしまうくらい、鳥居の奥はぽっかりと暗闇が広がっていましたが、そんなことであきらめる私ではありません。
こちらも営業時間ギリギリになんとか間に合い、最後に御朱印もいただくことができました。
月読宮から五十鈴川駅までは歩いて15分ほどでしたが、やり切った達成感で足取り軽く、そのテンションのまま新幹線と電車を乗り継ぎ、日付が変わる前に無事家に帰ることができました。
道に迷った私をわざわざ改札の外まで追いかけてきて行き先を案内してくれた駅員さん、傘がない私を心配してコンビニに連れていってくれたタクシーの運転手さん、神職の方々、コンビニやホテルの方、出会ったみなさん本当に穏やかで優しくて、私は伊勢が大好きになりました。
日々、せかせかと生きてしまって、というかこの旅も1分1秒を無駄にすまいと思い切りせかせかしてしまったのですが、もう少し心穏やかに、伊勢で出会った人たちのように、人に優しく生きていきたいな。
そんなことも思わせてくれる素敵な2泊3日の旅となりました。
のっさん